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「不労所得はずるい」。働かずにお金が入ってくると聞くと、そう感じる人もいると思います。
結論から言うと、私は不労所得をずるいとは考えていません。不労所得と労働収入の違いは、労力をかけるかどうかではなく、どのタイミングで、どこに労力を割くか、そして頑張った後に何が残るかの違いだからです。仕組みができるまでは、楽どころか、超労働です。
この記事では、不労所得を目指す中で「楽をしようとしている」という目で見られてきた私が、不労所得がずるいと言われる理由と、それに対する私の考えをお話しします。
不労所得が「ずるい」と言われる理由
不労所得がずるいと言われる理由としてよく挙がるのは、次の3つです。
1つ目は、働いていないのにお金が入っているように見えることです。「不労」という言葉が、そのまま「何もしていない」という印象を与えます。
2つ目は、仕組みを作っている間の労力が、外からは見えないことです。人の目に入るのは、仕組みができあがって、お金が入るようになった後の姿だけです。
3つ目は、「働いた時間の分だけお金を受け取るのが正しい」という考え方です。この考え方から見ると、働いた時間と収入が結びつかない不労所得は、正しくないものに映ります。
加えて、「楽して稼げる」とうたう勧誘が多いことも、不労所得のイメージを悪くしています。その実態については、「不労所得はやめとけ」と言われる理由で取り上げています。
3つの理由に共通しているのは、外から見えている部分だけで判断していることです。
私は「ずるい」と感じたことはなく、「楽をしようとしている」と見られる側だった
私自身は、不労所得で収入を得ている人を、ずるいと感じたことはありません。自衛官として働いていたころも同じです。
一方で、自分が不労所得を目指す側になってからは、「楽をしようとしている」という目で見られることが多くありました。面と向かって言われたことはありません。
見る側には、仕組みを作っている途中の労力が見えないのだと思います。
仕組みができるまでは、楽どころか超労働
不労所得は本当に楽なのかと聞かれたら、私の答えは「仕組みができるまでは、まったく楽ではない」です。それどころか、仕組みができるまでは超労働です。
不動産投資では、売り手との価格交渉から入居者探しまで、やることが続きました。交渉は思うようにいかず、管理会社に任せきりでは入居者が埋まらなかったため、ジモティーのようなサイトを使って自分で入居者を探したこともあります。4年ほどで手放しました。目標の利回りには届きませんでしたが、収支は一応プラスです。お金が入るようになるまでには、まず自分の時間と労力を差し出す必要がありました。手法ごとに、どこに手間がかかるのかは、不労所得のおすすめの選び方の比較表にまとめています。
不労所得の「不労」は、仕組みができあがった後の状態を指す言葉です。その手前にある労力を飛ばして、できあがった後だけを見れば、ずるく見えるのも無理はありません。
違うのは、労力をかけるタイミングと場所
労働収入は、働いている間、働いた分だけお金が入ります。不労所得は、先に労力をかけて仕組みを作り、その後にお金が入るようになります。どちらも労力はかかります。違うのは、いつ、どこに労力を割くかです。
| 労働収入 | 不労所得 | |
|---|---|---|
| 労力をかける時期 | 働いている間ずっと | 仕組みができるまでに集中する |
| 労力をかける場所 | 目の前の仕事 | お金を生む仕組みづくり |
| お金が入る時期 | 働いた分だけ、その都度 | 仕組みができた後 |
| 仕組みができるまでの収入 | 働き始めからある | ない、または少ない期間が続く |
| 労力を止めたとき | 収入も止まる | 仕組みが動いている間は続く(手入れは必要) |
表の一番下にあるとおり、仕組みができた後も、手入れの手間がまったくなくなるわけではありません。それでも、働く時間と収入が切り離されることで、時間の使い方を自分で選べるようになります。
資産から収入を得ることは、国も後押ししている
資産から収入を得ることは、社会のルールの外にあるものではありません。少なくとも投資から得る収入については、国が増やしたいと考えているものです。
2022年11月28日、内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議は「資産所得倍増プラン」を決定しました。このプランでは、家計の金融資産の半分以上がリターンの少ない現預金で保有されていることを課題として挙げ、中間層がリターンの大きい資産に投資しやすい環境を整えれば、家計の金融資産所得を拡大できるとしています。目標として、5年間でNISAの総口座数を1,700万から3,400万へ、NISAでの買付額を28兆円から56兆円へ、それぞれ倍増させることを掲げています(出典:内閣官房「資産所得倍増プラン」)。
NISAは、2014年1月に始まった「少額投資非課税制度」で、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税になります。ただし、投資できる上限金額は決まっています(出典:金融庁「NISAを知る」)。投資には元本割れのおそれもあるので、仕組みを理解したうえで始めることが前提です。
頑張った後に、何が残るか
労働収入と不労所得の一番の違いは、頑張った後に何が残るかです。
会社員として働く場合、どれだけ頑張っても、辞めれば収入は止まります。頑張った分が、収入を生むものとして積み上がっていくことはありません。これが、今の社会の構造です。
不労所得は、先に頑張って作った仕組みが、動いている間は収入を生み続けます。頑張った分が、仕組みとして残ります。
会社員にも退職金や年金があるので、積み上がっていると考える人もいると思います。ただ、退職金も年金も、自分で金額をコントロールすることは実質できません。まじめに働き続けていても、会社や国の制度の都合で減ることがあります。
実際に、厚生労働省の調査では、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で勤続35年以上の定年退職者1人あたりの平均退職給付額は、平成30年調査の2,173万円から、令和5年調査では2,037万円に減っています。5年間で、130万円以上の減少です(出典:厚生労働省「就労条件総合調査」平成30年・令和5年)。
勤続35年以上で2,037万円。1日8時間以上の拘束が約35年続き、働く場所も、条件がたまたま合わない限り自分では選びにくい。そうした働き方を長く続けた先に受け取るのが、この金額です。しかも、その金額さえ、会社の決め方ひとつで変わります。受け取るまでの時間も、長すぎます。
年金も同じです。公的年金には、現役人口の減少や平均余命の伸びに合わせて、給付水準を自動的に調整する「マクロ経済スライド」があります(出典:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」)。2024年の財政検証では、現役男性の平均手取り収入に対する年金額の割合(所得代替率)は、2024年度の61.2%から、経済が成長するケースでも2037年度に57.6%、過去30年と同じような経済が続くケースでは2057年度に50.4%まで下がる見通しです(出典:厚生労働省「令和6(2024)年財政検証結果」)。
これは、働く人の努力が足りないからではありません。会社員という働き方が、そういう構造になっているということです。
労働収入には、頑張っても積み上がらないという構造があります。その構造を見て見ぬふりをして、積み上がるものを作ろうとする人だけを「ずるい」と言うのは、おかしいと私は考えています。
「ずるくない」生き方は、誰にとって都合がいいのか
不労所得をずるいと感じている人に、私が伝えたいことがあります。
言われたことを、言われたとおりにこなし続ける。それを「ずるくない」生き方だと感じ、納得しているのであれば、その生き方を続けるのも一つの選択です。
ただ、その生き方は、人を使う側にとって都合のいい生き方でもあります。私が本当にずるいと思うのは、そうした都合のいい働き方を「まじめ」「正しい」と呼んで、続けさせることです。「みんなやっているから」という空気も、同じ働きをしています。
そのずるさに気づかないまま、あるいは仕方ないと諦めたまま、不労所得の方をずるいと感じていないか。一度、考えてみてほしいと思います。
誰かにとって都合のいい生き方ではなく、自分がやりたいことを、やりたいようにやりたい。そう思うのであれば、不労所得ほど選択肢の幅を広げてくれるものはないと、私は考えています。
私が自衛官として月400時間を超えて働いていたころの話と、そこから考え方を作り直した経緯は、自衛隊を退職して気づいたことに書いています。
よくある質問
- Q不労所得はずるいのですか?
- A
私はずるいとは考えていません。不労所得も、仕組みを作るまでには多くの労力がかかります。労働収入との違いは、労力をかけるかどうかではなく、どのタイミングで、どこに労力を割くか、そして頑張った後に何が残るかです。
- Q不労所得は、楽して稼ぐ方法ですか?
- A
仕組みができるまでは、楽ではありません。私の場合、仕組みができるまでは超労働でした。「不労」は、仕組みができあがった後の状態を指す言葉です。仕組みができた後も、手入れの手間はかかります。
- Q労働収入と不労所得の一番の違いは何ですか?
- A
頑張った後に何が残るかです。会社員の労働は、どれだけ頑張っても、辞めれば収入が止まり、積み上がりません。不労所得は、先に労力をかけて作った仕組みが、動いている間は収入を生み続けます。
- Q会社員には退職金や年金があるので、不労所得はいらないのでは?
- A
退職金も年金も、自分で金額をコントロールすることは実質できません。厚生労働省の調査では、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で勤続35年以上の定年退職者の平均退職給付額は、平成30年調査の2,173万円から、令和5年調査の2,037万円に減っています。年金も、2024年の財政検証では、現役男性の平均手取り収入に対する年金額の割合が、2024年度の61.2%から将来は50〜57%台に下がる見通しです。約35年、時間や働く場所の自由が限られた働き方を続けた先に受け取る金額であり、その金額も会社の決め方ひとつで変わります。働く人の努力の問題ではなく、構造の問題です。
- Q不労所得を目指すと、周りからどう見られますか?
- A
人によって違いますが、私の場合は、面と向かって言われたことはないものの、「楽をしようとしている」という目で見られることは多くありました。仕組みを作っている途中の労力は、外からは見えにくいからだと思います。
- Q会社員が不労所得を目指すのは、悪いことですか?
- A
悪いことではありません。会社員の収入は、辞めれば止まります。辞めた後も残るものを作ろうとするのは、自然なことです。私は自衛官を辞めた直後に不動産投資を始め、ローンを組むのに苦労しました。始めるなら、安定した収入があるうちの方がいいと考えています。副業にあたるかどうかは、勤め先の就業規則を確認してください。
まとめ
不労所得は、ずるいものではありません。労働収入との違いは、労力をかけるかどうかではなく、どのタイミングで、どこに労力を割くか、そして頑張った後に何が残るかです。仕組みができるまでは、楽どころか超労働です。外から見えるのは、できあがった後の姿だけです。
それでも私が不労所得を目指すのは、誰かにとって都合のいい生き方ではなく、自分のやりたいことをやりたいようにやるための選択肢を広げたいからです。
自分の場合は、どこに労力を割けばいいのか。それを自分の状況に当てはめて考えたい方は、無料のZoom勉強会の内容もご覧ください。
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